【銘柄分析】柔軟に事業戦略を転換するMicrosoft(MSFT)

すけっち

Microsoft製品は毎日使ってるから知ってるよ!今更調べる必要はないんじゃないかな(ヽ´ω`)

女の子

個別銘柄に投資するなら、しっかりと分析しないと痛い目を見るのを忘れてない?すけっちちゃん、大損して泣いてたような(>ω<)

コーギー

Microsoftは過去を紐解くと面白いし、事業戦略やビジネスを知る上で学べることが沢山あるから、一度分析してみるといいんじゃないかな!

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はじめに

MicrosoftはWindowsの提供から始まり、Windows向けのオフィス製品を提供しています。また、ビジネスにおける多様なニーズに応えるため、企業買収も行いながらサービス提供範囲を拡大しており、「ビジネスにおいて欠かせない情報インフラ」を提供する企業になりました。

ただし、Microsoftも躓くことなく成長してきたわけではありません。時代の変化とともに、従来のビジネスモデルでは成長を維持できなくなりつつありましたが、優秀なCEOのもと「従業員の意識改革や事業戦略の変更を大胆に実施」することで、近年大きな成長を遂げており、GAFAと肩を並べて「GAFA+M(Microsoft)」と呼ばれるまでになりました。

大企業の場合、従来の組織文化や事業戦略に固執してしまい、時代の波に追従できなくなるのが一般的だと思います。そのような中、Microsoftが飛躍的成長を遂げたことは、大きなポイントだと思います。今回の記事では、この点も触れながら、Microsoftの銘柄分析をしてみたいと思います。

この記事でお伝えしたいこと
  1. Microsoftの強みと将来性
  2. Microsoftは時代の波に乗り柔軟に事業戦略を転換
  3. CEOが果たした役割(事業戦略の転換・組織文化と従業員意識の改革等)
  4. Microsoftの事業リスク

企業概要

Microsoftは設立から40年以上経っている企業で、16.6万人も働いています。

スクロールできます
社名Microsoft Corporation
ティッカーMSFT
セクターTechnology
本社所在地アメリカ合衆国(ワシントン州)
設立1975年
従業員数166,475人
役員Satya Nadella(CEO)
※Wikipedia、Yahoo Finance等から抜粋
すけっち

Satya Nadellaさんって聞いたことある!どんな方か分からないけど(>ω<)

女の子

この方が色々と取り組んだおかげで、Microsoftの業績が回復したって聞いたことがあります(*^^*)

コーギー

事業戦略の転換だけじゃないんだよ。会社の問題点を深く理解し、従業員の意識改革を成功させた事がこの方の功績なんじゃないかな

事業概要

Microsoftの事業は大きく「一般顧客向け」「法人顧客向け」「クラウド」の3つに分けられます。

これらの事業は、クラウドファーストや他社との連携強化、M&Aによる周辺領域への事業拡大を指向することで堅調に拡大しています。また、「エバンジェリスト(伝道師)」という職位を作り、製品・サービスへの理解を促すことやファンの創造に努めていることも大きな特徴の一つだと思います。

また、Satya Nadellaによる「従業員の意識改革」が浸透しており、これらの事業を成長させる大きなドライバになっていると考えられます。社員の共感を呼び起こし、One Microsoftの精神のもと「共に成長する」というマインドアセットを組み込んだことは、容易に模倣できない強みとなっているのではないでしょうか。

※同社の事業を語るうえで、従業員の意識改革も成長のドライバになっていると考えて補足しました
すけっち

数年前と比べて、Microsoftで働いていらっしゃる方の目がキラキラしてるのを実感しています(*^^*)

女の子

それ、私も感じてます!やりがいのある職場環境や文化を創り上げてるののかな(*^^*)

CEOの変遷

CEOの変遷により、同社の事業戦略は大きく変わってきました。サクッと理解できるよう、纏めます。

STEP
Bill Gates(〜2000.1)
  • 世界中にある全ての机と家庭にコンピュータを届けることが目標
  • Windowsの開発(Operating System)
  • Windows95を皮切りにMicrosoftの存在感を高めた
STEP
Steven Ballmer(2000.1〜2014.2)
  • ビジネス関連のアプリケーション拡充(Skype, Azure, Office365等)
  • 新たな事業への種まき(Xbox等)
STEP
Satya Nadella(2014.2〜)
  • 他社との提携路線への転換(GAFA等)
  • 顧客のエンゲージメント強化
  • 従業員の意識改革を断行(共感、Growth Mindset、One Microsoft)

株価の推移

Microsoftの株価は5年で約5倍まで急上昇しています。米国を代表する株価指数「S&P500」「NASDAQ」と比べると、その差は歴然です。

※Microsoft Annual Report 2020より引用(https://www.microsoft.com/investor/reports/ar20/index.html

業績

業績を確認するため、売上高と営業利益、FCFをサクッと確認したいと思います!

売上高

売上高は2016〜17年に鈍化したものの、直近3カ年の売上高成長率が非常に大きいことが分かります。

売上高を製品・サービス別に分類すると、「ビジネス向け」・「消費者向け」・「クラウド」の3つの分野にほぼ均等に分散されています。

特定の事業への偏りがなく、事業ポートフォリオ上のリスク分散が効いており、安心感がありますね(*^^*)

投資と同じように、様々な事業を展開することで、リスク分散を図ることができます

通常、様々な事業を展開すると、いずれかの事業は成長率が鈍化するものですが、Microsoftの事業は3分野全てが成長しています。

その中でも「Intelligent Cloud」の伸びが著しいのが特徴です。その代表的なものが、クラウドサービス(Azure)の存在です。クラウドの分野では、Amazonが提供するAWSがトップを走っており、MicrosoftのAzure、GoogleのGCPが追いかける構図となっていますが、現時点では各社ともに収益拡大を続けており、現時点では安心感のある領域だと思います。

地域別売上高を見ると、「アメリカ:それ以外の国=5:5」で比較的分散できていると言えます。以前、分析したAppleでは地域の詳細が開示されていましたが、Microsoftは非開示(Other Countriesとひと纏め)のようです。

営業利益

営業利益は「売上高と同様に2016〜17年まで鈍化」していましたが、2018年以降は急成長を遂げており、直近の売上高営業利益率は40%近くと高水準となっています。

FCF

FCFは潤沢で安心感がありますし、自社株買いや配当金などの株主還元に加え、事業拡大のためのM&Aにも積極的な姿勢を見せており、成長への期待を感じさせますね。

配当金

今後の成長性

Azure

Intelligent Cloud(Azure等)分野におけるシェア拡大が喫緊の課題ではないでしょうか。この分野は着実に成長を遂げていますので、この波に乗って着実に収益を向上させていくことが何よりも大事だと感じています。

業界特化型AIソリューション

これまでは、あらゆるビジネスにおける情報インフラを提供する企業という印象でしたが、M&Aや事業提携を通じて「業界特化型のAIソリューション」分野の事業確立を目指しているのではないでしょうか。

先日の企業買収の発表からも、医療分野などの強化を図っていく姿勢が伺えます。買収先の「Nuance Communications」との連携強化により、医療を新たに創造することを目指しているようです。

このように、情報インフラにおける収益基盤を盤石なものとしつつ、そこで得られた収益をアプリケーション分野に投じることで、更なる収益拡大を目指しているようです。

MicrosoftのHPに様々な情報が掲載されています。詳細をご覧になりたい方は「業界別クラウド」で検索して頂ければと思います

リスク

企業買収などの成長投資を収益に繋げることが出来なくなったり、最悪の場合、投資回収出来なくなる可能性があります。

もちろん、企業は成長を遂げるために投資しているので、これをリスクを捉えてよいのか悩むところですが、Nuance Communicationsの買収に197億ドルを投下するなど、Microsoftは一定のリスクを取って巨額を投下していることは認識しておく必要があると思います。

企業買収はPMI(Post Merger Integration)が重要になります。Microsoftは過去にもM&Aを手掛けていることから、PMIのノウハウは十分保有していると思いますが、買収先の企業文化を活かしながらMicrosoftの一員として組み込んでいけるかも注視したいと思います。

まとめ

今回はMicrosoftについて深堀りしてみました。

既存のビジネスモデルに固執する企業が多い中、優秀なCEOのもと「時代の波に乗って事業転換」を進めてきたことが同社の強みであることを知ることができました。

また、事業ポートフォリオが3つの分野に分散しており安心感があることや、成長余力を感じさせる企業でありながら、一定額の配当金を拠出していることも魅力の一つだと思います。


すけっち

成長性×配当金が魅力的な会社だね(*^^*)

女の子

成長性があるのに株主還元までしてくれるなんて魅力的だと思いました。すけっちちゃんの記事を見てよく分かりました

コーギー

Azureによる収益基盤の確立と業界特化型AIソリューション分野の事業を花開かせることが、大きな課題なんだね!







すけっち

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